《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 | 日記 | アマゾンFBAから撤収

◎近畿一円、出張いたします。 一般書から学術書・専門書、現代から江戸(和本)まで。

Top >  日記 > アマゾンFBAから撤収

《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記

アマゾンFBAから撤収

2017.08.05

20170804_093909.jpg

FBAとはフルフィルメントby Amazonの頭文字を取ったもの。
つまり、アマゾンに商品を納品し、アマゾンが発送までを行ってくれるサービスのこと。
商品さえアマゾンの倉庫に送れば、あとは自動で任せられるというわけ。こちらが休んでいても構わない。正月でもやってくれる。
もちろん手数料はかかるが効率的ではある。
マルチチャネルといって、別のサイトで売れても発送を依頼することも可能。

このサービスは10年ほど前から行われていて、当店もわりと早めの時期に採用していた。
ところが、今月15日から大幅な改変が行われ、その目的は本やCDなどのメディア商品を追い出すことにあると見る。
アマゾンの横暴はいまに始まったことではないが、今回はもっともひどい。
段階的でもなく一息に片づけてしまおうとしている。
今日では古本屋もアマゾンなくしてやっていけるところはほとんどないだろう。
当店も然りでその恩恵を被ってきたので感謝はしているが、理の通らないことに対しては、巨大企業とはいえこれまでずいぶんやり合ってきた。

ただどうしようもないことはどうしようもないこと。
今回の改悪は2点。この2つがあってメディアの排除が完成する。
そもそもFBAでメディア商品を排除しようとしているのは、アマゾンの倉庫が飽和状態だからだろう。
これまで流行りのものだけでなく、ロングテール商品が大切だとアマゾン自身が推奨してきていながら、回転率のよい商品だけにしていかないとやっていけないようになってきたと見られる。

そのためにアマゾンが変更した長期在庫保管手数料に関する2点。

1・ASIN(アマゾン独自の商品番号)のついている商品に関してこれまでは、2点以上から手数料がかかったが、これからは1点以上から課金する
2・これまでは1年以上の保管に長期手数料をかけていたが、これからは半年に短縮する

出品者でないと何のことかわからないと思う。
平たく言えばこういうこと。
これまでは古本は同じものはまずないのですべて1点。ゆえに長期在庫保管手数料はかからなかった。
しかし、これからはすべての在庫に対してかかることになる。
しかもそれが1年以上だったのが半年ごとにかかってくる。
古書というものは、5年寝かせておいて売れるものもある。
半年で売れるものばかり扱っていては古本屋とは言えまい。
もちろん、毎月ふつうに保管手数料プラス発送手数料は支払っているが、それは倉庫を借りるよりは安上がりだからで、だからFBAに納品しようとする業者が増えた。
しかし増えすぎたので今回排除しようとしている。
長期保管手数料が安ければ問題ないが、当店なら13万円平均を半年ごとに徴収されることになる。
1年間なら26万円の加算。
本の単価などたかがしれているのに、これはあまりにもひどい。
点数にすれば2千件程度で、これも最初は無制限だったのがアマゾンが点数制限をかけてきた。

というわけで、憤っていてもしかたがないので、早々にFBAから撤収することを決断。
14日までになるだけ売り切って、残ったものは返送か処分の依頼をする。
返送なら一点50円ほど、廃棄なら一点10円ほど。
単価の安い文庫本などは廃棄してもらったほうがいい。
返送してもらった分は、なんとかスペースを空けて保管し、店をはじめたころのように自前で発送するしかない。
トランクルームも見てきたが、外に置かれているところは気温に左右されて、今の時期なら熱くなりすぎる。商品が痛むはず。
室内を探しても近くに便利なところはなく、さらに倉庫を借りるほどでもないので今のスペースで何とかまずは2千点が入れるスペースをつくる。
コンビニもあの狭いスペースを極限まで有効活用しているのだから、それを見習えばできないことはないだろう。

写真は先日引き取った全集の一冊。
ビニール、もしくはサランラップで函が巻かれてある。
本体もカバーがかぶせられ、中に帯が挟み込まれている。
読むということはまったく考えておらず、コレクションのための蔵書だと言える。
ここまで徹底して保存しているのははじめて。
きれいなのは古書店にとってこの上なくありがたいことではあるが、外していくのが大変。



日記一覧へ戻る

【PR】  ペットのグルーミング屋 jenny angie  カラオケ Gozyura (ゴジュラ) 町田店  SHIMON DRUM SCHOOL  Tommy Rose (トミー ローズ)  かえで整骨院