《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 | 日記 | 『辻田克己集(自註現代俳句シリーズ続編24)』より

◎近畿一円、出張いたします。 一般書から学術書・専門書、現代から江戸(和本)まで。

Top >  日記 > 『辻田克己集(自註現代俳句シリーズ続編24)』より

《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記

『辻田克己集(自註現代俳句シリーズ続編24)』より

2017.08.09

逢ひに行く緋のマフラーを背に刎ねて

嫁が君父の家いま兄の家

われ在りて思うてをれば厠の蚊

空蝉の爪深く立つ桐の幹

林檎食ふりんごのなかにゐるやうに

探すものだけが出て来ぬ冬の暮

全山の絞る力を滝と呼ぶ

九鬼説の粋の縦縞蜥蜴の子

ワグナーのとどろきわたる黴の家

ビル工事寒し堕々々々々々々々と

老人はくさめのあとをぶつくさと

シーザーを刺す星空の野外劇

鶏頭を庭に待たせてある如し

爺々と蝉にいはるるまでもなし

北窓を開く手力男之命

春暑き土佐やアイスクリンの旗

粗酒粗肴どころか地酒山鯨

落し文まさかの人と人の仲

稗史にはありとせる径蚯蚓鳴く

日記一覧へ戻る

【PR】  ECCジュニア知立昭和教室  エステサロン ドゥリラックス  PEACEMAKE  間宮不動産  はんこプロジェクト