《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 | 日記 | 木田千女『句集 初鏡』(本阿弥書店)より
2024/04/29
木田千女『句集 初鏡』(本阿弥書店)より
2014年
「天塚」名誉主宰
第6句集
人恐れ人を恋ふ日の春ショール
開戦日くるぞと挙手の遺影拭く
日本のどん底を生き昭和の日
気まぐれに鳴るよ千女の風鈴は
ちやぶ台の足ぽきと折る夜食終へ
懐炉三つ貼りて達者よまだ生きん
春怒濤われをゆさぶる一句欲し
涙つぶほどの日本よ鳥渡る
鳥雲に死なねば逢へぬ人ばかり
グーで負け今年も花の筵番
春灯にだまされてやろ泣いてやろ
主義主張なき婆となり髪洗ふ
次の世などあるはずはなし髪洗ふ
盛夏くる死ぬほどの恋知らず老い
一生の殆ど消えて昼寝する
先生と呼ばれて疲れ大根洗ふ
すぐそこに九十歳やふところ手
冬怒濤万歳岬でみな死んだ
母の日やもうぢき黄泉の母と逢ふ
父の日や千里駆けても逢へぬ父
初句会大正生まれわたしだけ
弾運び子は死にました沖縄忌
ビー玉は少年の目よ夏が来る
シベリアへ征きしままなり終戦日
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