《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 | 日記 | 迫石松子『句集 寒暁』(蘇鉄社)より

◎近畿一円、出張いたします。 一般書から学術書・専門書、現代から江戸(和本)まで。

Top >  日記 > 迫石松子『句集 寒暁』(蘇鉄社)より

《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記

迫石松子『句集 寒暁』(蘇鉄社)より

2019.01.14

20190114_215939.jpg

昭和59年。
「蘇鉄」同人。歯科医。
妻の句、宿痾の句、ダムの句が多い。
好きな句もあるが、「癒ゆ妻」がやたら出てきて、活用としていかがなものか。
連体形なら「癒ゆる妻」、過去形なら「癒えし妻」で、五音だと句に仕立てやすいが、こういう表記が散見される。


梅雨ふかし処刑の如く吊革に

藪蚊打つ四方海光の流人島

殉教地神父が作る葱大根

玄海のまっ赤な日の出終戦日

蜻蛉の目玉に沼は生きている

びっしりと落葉終生職ひとつ

鳥渡る妻の潔癖娘がうけて

田植機の死角や隅は姥が植う

黄落の尽したる幹かげりなし

鮎の碑やいま鮎食ひし口噤む

雪に転び雪を摑みて起き上る

生くるだけ生きむ一躯に花吹雪

生涯を無冠のままに黄落す

日記一覧へ戻る

【PR】  寿司洋  ハローストレージ西竹ノ塚  東進こども英語塾 亀有長門教室  haircreate ORION  AMAX MUSIC