《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 | 日記 | 稲畑汀子『汀子句集』(ウエップ)より

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《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記

稲畑汀子『汀子句集』(ウエップ)より

2020.10.29



2003年復刊。 「ホトトギス」名誉主宰。第1句集。

今日何も彼もなにもかも春らしく

牧場はすなはち雨のクローバー

この辺の景色となつてゆく芒

景変りつゝ菜の花のつづきけり

湖に出て見るだけの避暑二日

かくれ部屋あり春昼の顔なほす

バターよく伸び煖房の食堂車

スリッパのまま芍薬の芽まで来し

この辺の家のたつきの酢茎桶

庭芝の枯れ行く色の定まりて

母を見て又子の昼寝つゞきけり

どこよりもこここより見ゆる紅葉山

ふとよぎる春愁のかげ見逃さず

雨降れば雨にドライブ子供の日

ランドセル咳込む吾子の背に重く

ふり返り見て花の道花の中

忌にありて春待つ心生れつゝ

泳げても泳げなくても水着来て

朝寒に起きねばならぬ力あり

三人の子等を視界に母泳ぐ

忘れゐし外の寒さに退院す

人事と思ひし河豚に中りたる

しまはずに置いてよかりし春炬燵

山荘の古籐椅子を皆が好き

せめて髪短かく梅雨をさつぱりと

日の落ちて暮るるに間あり草を引く

梨を剥くとき忘れゐし指の怪我

極月のやりくり吾子にスキー買ふ

張り替へし障子とわかる白さかな

流星を見ると云ひ寝てしまひたる

雨降れば風吹けば花惜しむ日々

春愁や話せばわかることばかり

四等を喜こぶ末子運動会

見渡せる場所が涼しき高さかな

橋くゞる一瞬秋の日のかげり

春寒し心を閉ざしゐる時は

滝道の険しきことも承知して

寄鍋の夜を帰る人泊る人

ローソクを飾るだけでもクリスマス


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