《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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ブックカフェを訪れる
2012.03.17
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バイク(リトルカブ)で町中の交差点で停まっていると、歩道から声がかかった。
「どちらへ移られたんですか?」
後ろのボックスには当店の名前が書いてある。
2年前まで北白川で店舗を構えていたので、そのときのお客さまであった。
うれしくはあったのだが、ただ、申し訳ないことにお顔をあまり覚えていない。
人の顔を覚えるのが得意ではなく、その点では商売人としては不適格なのだと思う。
1度入っただけのお店でも、顔をしっかり覚えてくれていたりすると大変驚く。
コンビニでもマイバックを持っているため、「袋はお持ちですね」と言われたり。
そのたびに、実に感心してしまう。
宝ヶ池に「響き館」という絵本カフェがある。
通っている乗馬クラブの近辺にあり、一度入ってみようと思っていた。
落ち着いた木の造りで、靴を脱いで上がる。
絵本が多すぎも少なすぎもせず、適切な数で見やすく置かれている。
未就学児の入店お断りとのことで、表紙の絵柄だけを見ても、大人にも読み応えのあるものばかりのように思われる。
とても居心地のよい空間なので、これからも通ってみたい。
絵本は子どものものだけでないというのは、わかっている人にとっては当たり前のことだ。
私自身、子ども時代に読み聞かせをしてもらった記憶もなく、絵本は大人になってから面白いものだと知った。
子どもみらい館での読み聞かせのボランティアをやったり、教員時代も絵本の選定に夏休みに図書館に篭ったりした。
昨年に訪れた安曇野の絵本美術館でも絵本の歴史の展示に見入ってしまった。
当店は専門書や学術書が基本線となっているが、絵本も扱っていきたいものの1つである。
子どもが主に扱うので、状態のよい絵本というのは多くなく、古書として貴重なジャンルとなっている。
ちなみに、京都には個性的なブックカフェがいくつかある。
町屋を改装したりと、落ち着いた雰囲気を出しているものも少なくなく、訪れるだけで楽しい。
いわゆる古本屋のように古めかしくもなく、こじゃれた感じなので敷居が低い。
お客さまからブックカフェを自分でやってみるのを勧められた事もある。
名曲喫茶のようなレコードを鳴らすオーディオを揃えてやってほしいと。
なかなかお客さまを覚えられないなど、種々の点から見合わせているが、いずれ全適庵がオープンするやも知れませぬ。
