《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 | 日記 | 磯田富久子『句集 菊川』(狩俳句会)より

◎近畿一円、出張いたします。 一般書から学術書・専門書、現代から江戸(和本)まで。

Top >  日記 > 磯田富久子『句集 菊川』(狩俳句会)より

《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 の日記

磯田富久子『句集 菊川』(狩俳句会)より

2022.05.25



平成11。
「狩」同人。第1句集。

身のどこか鈴の音して春着の子

塾の子のポケットに垂れ独楽の紐

落ち凧のいやといふほど地を打ちて

蓮枯れて茎のはがねのごとき反り

ヒロインと同名われは着ぶくれて

太陽に向きたんぽぽが黄をふやす

かんばせに日ざしを集め流し雛

歩の弾みたてがみにまで厩出し

ひかり撒くごとくに花の種を蒔く

春愁や菩薩は指の先反らせ

照り曇りせはしきひと日半夏生

口かたく結びて鮎の串打たれ

かなかなや日はやうやくに力抜き

おとがひを菊にうづめて菊人形

青空の透きてまばらの寒ざくら

紙漉くや水たぐり寄せ突き放し

ふぶくことなくて終りし冬ざくら

一灯もなき島かこみ夜光虫

すぐ怒る方が買はれてかぶと虫

節太の手のしなやかに盆踊

なかなかに炎とならず牡丹焚

マフラーの端はね上げて塾通ひ

口開けて声とはならず寒鴉

白息をゆたかに秋田訛りかな

汲み置きの水に青空愛鳥日

菖蒲湯の葉より茎より香りけり

名を書かれ形代われの温み持つ

おのが火を恃み螢が堰を越す

みたらしの杓みな伏せて神の留守

七草の弾むを押さへきざみけり

歪なるままにふくらししやぼん玉

岩のごとリュック摘まれて登山駅

湖からの風に穂を解き花すすき

枯野ゆく風より遠きものめざし

負ひ籠に花挿し帰る草刈女

月下にてともにバス待つ見ず知らず


日記一覧へ戻る

【PR】  美夢 化粧品  なつめ音楽教室  ホリスティック・リラクゼーション・サロン Bailey's うつのみや表参道スクエア店  まえかわギター教室  あすなろ接骨院 刈谷院