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《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記

若冲と蕪村

2015.08.21

信楽のミホミュージアムにて開催中の『若冲と蕪村』展へ。

正徳6年(1716年)に二人は生まれ、彼らの作品を並べた展覧会は互いの作風の違いがよく感じられて見ごたえのあるものでした。
ちなみに、この年は尾形光琳が亡くなった年だということ。
二人は四条の1キロと離れていないところに居を構え、これも近所の丸山応挙とも交流がありましたが、二人の交流が認められる史料は今のところ、ないようです。
当代きっての絵師ですからお互いを意識していないはずはなかったでしょう。

以前からそうでしたが、若冲よりはやはり蕪村のほうが個人的には親しみがあります。
若冲は作品の幅があり、有名な象や鶴、鶏のような動物のデフォルメしたものから写実的なしっかりしたものまで見られます。かっちりしたものは本当にかっちりしている。デフォルメも大変おもしろいのですが、線の質なのかユーモラスなのに怜悧な感を受ける。
それに対して蕪村は、はじめからユーモラスな絵はもちろん、どれだけ真面目な絵を描いていてもどことなくユーモラス。真面目な作品からもほっとする温かさが感じ取れます。
統計的なものではないですが、私が聞いた少数の人の感想では女性が若冲を、男性が蕪村を好んでいるような傾向があります。

蕪村は俳人でもありますから、というよりそちらのほうが有名かもしれません。彼は非常に芭蕉を尊敬していました。
この日記でも紹介した、伊賀の芭蕉翁記念館にある芭蕉涅槃図はそのことを表わすものでしょう。芭蕉に関する絵は多く、写真に掲げました奥の細道画巻は、彼が奥の細道を写し、それに挿絵をつけたもの。福井等裁というこの人も俳人らしく、彼の家を訪ねているところ。二人ともおとぼけ感たっぷり。
美術館でも、しかめっつらしい顔にはならず、自然と頬が緩んで鑑賞していました。
この写真はミュージアムショップで購入した与謝蕪村トランプの一枚。トランプを1枚1枚眺めているだけでも楽しい。
ショップでは別冊太陽の蕪村特集と、蕪村の水墨画のブックカバーも購入。

若冲ブームだった一時ほどではないですが、人気のあるのは若冲。
美術館の図録や美術書も取扱っております。
整理の際はご一報を。

「若冲と蕪村展」は今月30日まで。
若冲目当てに行かれて、蕪村のよさも感じていただければ幸いです。

若冲と蕪村

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