《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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小泉元首相も安倍首相も
2015.12.16
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政治ネタと思わせるタイトルですが、政治の話ではありません。 以前、安倍首相も真向法を実践していることを書きました。父の晋太郎が安岡正篤から教わったという。
現在発売中の文藝春秋(2016年1月号)で、「小泉純一郎独白録」が掲載されています。その中で、真向法という名前は出てきませんが、明らかに小泉氏が真向法を実践しているという記述が出てきます。 最後の「取材を終えて」の以下の部分。 <「健康維持は食事、休養、運動の三原則。これが基本だ」 そう言って、畳の上に尻をつき、目いっぱい股を広げ、上体を床にぺたりとつけて見せた。次は、正座になって深呼吸しながら背中を倒して仰向けになろうとした。 「ん…まだこの動作ができない。五月から毎晩二十~三十分、続けたら腰いたかったのが何ともなくなったんだ」 純一郎が得意げに見せるその柔軟体操は、蓄電技術開発を手掛ける会社経営者から教わったという。> 取材を受けた料亭が和室だったのでやって見せたのでしょう。最初の「目いっぱい股を広げ状態を床にぺたりとつけ」というのは真向法では第3体操ですが、ただの開脚というだけでこれだけでは真向法とは言い切れない。しかし、その次の「正座になって深呼吸をしながら背中を倒して仰向けに」は第4体操に違いなく、この第4が真向法とはっきりわかる型になっています。 5月からはじめたのに、第3体操で上体が床につくというのはすごい。私はこの第3体操が開脚の角度もなかなか広がらず、もっとも苦手です。 おそらく、脱原発を主張する小泉氏ですから、蓄電技術開発の会社経営者と接触したときに教わったのでしょう。
なぜか自民党の政治家ばかりですが、頭角を現す人というのは姿勢がよいものです。主義主張はともかく、みなそのしゅっとした姿勢に惹かれてしまう。息子の進次郎氏もそうで、肥え太り、脂ぎって反り腰で腹を突き出して歩いたり、背中が丸まっている政治家は、いくら権力があっても大衆には訴えかけるものがない。 民主党の政治家には、そういう人はほとんどいないのではないでしょうか。ラグビーをやっていたという細野氏くらいしか思い浮かびません。 政治姿勢という言葉があるように、そのままの意味で姿勢ができていなければ、政治姿勢もできていないとみなされる。姿に勢いがあるかどうかが大切で、主義主張を大衆は精査することはありません。とにかく、姿勢ができていればぶれないことはアピールできる。 ジムに通ったり、スポーツをしたりということは注目されるし、みなやりたがるのですが、姿勢を作るという一見地味な作業はそれらと比べれば人気はないようです。しかし、こちらのほうが見栄えのいいだけの筋肉をつけたり、勝ち負けを競ったりすることよりずっと大切なことなのですが。
先日、京都の真向法の修練会に会長が来られ、今週にも安倍首相にお会いするそうです。首相は真向法の指導者に習ったわけではなく、自己流だからDVDを差し上げようと思っていると。ますます健康になってしまいますね。 以前、真向法の第一体操が仏典の頭面接足礼から生まれたという話で、いろいろ調べた結果、それは創始者の勘違いから生まれたものだったということを書きました。直接会長にこのことをただしてみると、知っておられるようでした。ただ、義理人情的な部分で今はそのまま受け継いでいくのだと、これからの世代で変えていくものはいったらいいというようなことでした。組織というのは面倒なものです。
文藝春秋の小泉氏の記事はおもしろく読むことができました。そのほか養老孟司氏の脳化社会の記事、池上彰×佐藤優の対談などの記事も合わせて読んでみたり。コンビニでも買えるものなので、興味があればご一読を。
