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《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記

歌垣風呂―銭湯での遊び

2016.06.21

人生2度目の合コン?
いつも通っている銭湯のサウナでこの企画のラジオが流れていました。
しかもその日は銭湯が休みの日なので風呂に入れてちょうどいいなと。
西京区の桂湯にて。男女七名ずつが浴槽に入り、主催者からお題を与えられて即興で短歌を作り、浴槽から一人ずつ読み上げる。
姿は当然見えず、相手の情報も事前に知ることはない。なので、歌と声だけで判断することになる。
平安時代を思わせる趣向。  

おもしろいのはその発想。
銭湯は斜陽産業であり、少しでも元気を出そうと落語会やコンサートを催しているところもある。
しかし、この男女を分ける壁が邪魔だという声が多いとか。それを逆手にとって、歌垣としてしまった。
銭湯好きにとっては、この発想がおもしろくて合コンはどうでもよく。実際に参加してみて感じたのは声が結構聴きとりにくいこと。
反響が大きいので、声がぼやけてしまう。  

今回のお題は2つ。「胸の内」と「柔肌」
ちなみに私の詠んだ歌
「歌垣に阻まれ見えぬ胸の内されど我らは浮かぶ泡沫(うたかた)」
「やは肌を伝ひてゆけば下腹に思いもよらぬ厚みあらはる」
即興なのでまだまだ練る余地はあったでしょうが、まあこんなもの。
俳句は詠んでも短歌とはまったく違う。俳句は終わったときの余韻があり、短歌は読んでいるときに余韻を感じる。  

詠むのが難しかった理由は短歌をほとんど詠んだことがないということもありますが、誰に向けて詠むのかがわからないことにありました。
とくに最初は声すらわからず、何にも情報のない中で何を詠んだらいいのか。そう思っていましたが、今日銭湯に来て番台を見上げると神棚に気づきました。
どこの銭湯でもたいていはあり、それが男女の間に祀られている。ということは、神が聴いているのであり、神に詠んでいたのだと思い至る。今
日、そのことを思い出して次の歌を詠んでみました。    

 銭湯の男女の垣におはす神聞し召すかな民の詠む歌

 神に聞いてもらった歌が人に届けばいいでしょう。
まさに哲学者ライプニッツのモナド。魂はこれ以上分割されないモナドという単位でありながら窓を持たない。それぞれが独自の魂の働きをするだけ。それなのに交感できるのは神による予定調和が働くから。  

一首、二首それぞれ誰の歌がよかったかを描いて提出。
1番の男性が2番の女性を選び、2番の女性が1番の男性を選んでいると成立ということになる。
4組成立で、私もなんと成立してしまいました。予定調和がうまく働いたのでしょうか。まあいい体験をさせてもらったということでお開きとなりました。  

残念な点が一つ。めずらしい企画ということでテレビの取材も入っており、スタッフは男性ばかりだったので男湯に入ってこられました。
正直、多くにかかわってきたわけではありませんが、テレビの取材というのはデリカシーがないのが多いように思えます。
「意気込みは?」「歌に点数をつけると何点?」とマイクを口に当たるくらいに突き出してくる。意気込みなどないし、点数もない。
合コンだという思い込みによる紋切り質問をするだけで理解しようという姿勢もない。
思案中のメモにカメラを思いっきり近づけてきて思案の邪魔をする。
多くはありませんが、これまで出たテレビはほとんど後味の悪いものばかりでした。企画自体はおもしろいものだっただけにそれだけが残念でした。

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