《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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インドから日本へ―龍谷ミュージアム
2016.07.29
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はじめて訪れた龍谷ミュージアム。
映画を見に行こうとするも、車がどこも止められずに諦め、せっかくなのでと立ち寄る。
8月21日まで行われている「仏教の思想と文化 インドから日本へ」展。
2階と3階に展示が分かれ、2階はインドから日本へ来るまでの仏教美術。
3階は日本で花開いた仏教美術。 2階の仏像が作られた最初と言われるガンダーラやマトゥラーの仏像はいい。
とくにガンダーラの半跏思惟像。 半跏思惟像は弥勒菩薩で有名だが、そもそも半跏思惟=弥勒という規定はない。
ガンダーラ仏もそもそもはシッダールタ王子の像であったと思われる。
ローマ彫刻の影響を受けているので、広隆寺の弥勒菩薩像とは違い、がっちりした体つき。
この深く沈んだ思惟の姿は、56億7千万年後に下生するとされる弥勒菩薩が兜率天におられるという信仰にぴったりだったのではないか。
それが弥勒信仰とともにあの姿で伝播されていったのではないかと想像する。
3階の日本の美術もなかなか。
とくに懸仏が気に入った。
懸仏は平等院の雲中供養像が有名。
夏のうだるようなときに重力を忘れたように浮かんでいる仏を見ると心地いいはず。
人も少なく、シンプルに整理されており、見ごたえがあった。
京都国立博物館で開催中の「丹後の仏教美術」もよさげだが、人が多いのでいつも行こうという気が起こらない。
龍谷ミュージアムはその点、人もまばらで十分余裕をもって見られた。
穴場発見。いまのところは。
展覧会チラシ http://museum.ryukoku.ac.jp/exhibition/pdf/reg160625.pdf#view=Fit