《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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かばんを頭陀袋にする
2016.08.22
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岩田呉服店で刺子織の頭陀袋を入手。
京都には同じ名前の呉服店が2つあり、テレビCMのお店とは別。
呉服店の店主だけあって、私がいつも着ている倭人着のことも知っておられ、はじめて人から正式名称を聞けた。
老店主はラフな甚兵衛で、話し込むこと30分。
オーソドックスな紺にしてみた。
頭陀袋は金具を一切使用しない。
やわらかく手触りがいい。
内ポケットも2つついていて便利。
托鉢僧が首からかけているように、そもそも仏教から来ている。
主には法衣店で取り扱われており、一般の店で見ることはまずない。
「デジタル大辞泉」によると、
《〈梵〉dhūtaの音写》仏語。
1 衣食住に対する欲望を払いのけること。転じて、あらゆる煩悩(ぼんのう)を払い去って仏道を求めること。また、そのための修行。
2 僧が修行のために托鉢(たくはつ)して歩くこと。また、その僧。
3 「頭陀袋」の略。
頭陀は「禅」のように、サンスクリットの音読みを漢字の当て字にしたもの。
松尾芭蕉も頭陀袋を提げて旅していたことがわかっている。
当時はかばんという概念はなく、袋だったのだろう。
行く夏や芭蕉も提げし頭陀袋
「とりあへず」なく生きてきて夏逝けり
ひとり座す畳の海や夏座敷
逝く夏や反芻の山羊見てをりぬ
カフェのドア休む間もなき残暑かな
翁繰る数珠遅々として地蔵盆
