《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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ヤギの魅力ー「ヤギの友」第35号より
2016.12.13
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家に届く季刊誌は「静坐の友」と「ヤギの友」のみ。
どちらも少部数で一般の人が知ることはない。
昨日届いた「ヤギの友」第35号では、熊本で行われた全国山羊サミットの基調講演が載っていた。
ヤギの本も書かれている萬田正治氏の講演で、その中にヤギの魅力が挙げられている。
1)女性・子供・高齢者でも飼える
2)未利用資源の有効利用
3)資金が掛からない
4)人間臭く愛らしい
5)乳は母乳に近く肉は薬用的利用
6)糞は取り扱いやすい
7)注目できる除草能力
1)は昭和30年代まではヤギが飼われていた大きな理由。
2)は7)にも通じるが、要らないものをエネルギー源として食べてくれる。
3)は犬猫のようなペットからしたらずいぶん安価。
4)はうしおを見てもらえればわかると思うので、言うまでもなし。
5)牛乳にアレルギー反応がある人でもヤギの乳だと反応が出ないという。
6)コロコロしているので掃けば終わり。肥料にもなる。
7)はわかりやすい。ただ、毒のあるものもあるのでそこは注意したいところ。
日本のヤギは主に白ヤギのザーネン種と在来種のシバヤギとトカラヤギが存在する。
萬田氏はトカラヤギの魅力として
1)腰麻痺に罹らない
2)周年繁殖する
3)小型である の3つを挙げる。
1)はザーネンは腰麻痺に罹りやすく、在来種はシバヤギを含めかかりにくいとされる。
罹らないというのは正しくない。腰麻痺は脚が立たなくなって死に至る可能性が高いので恐ろしい。在来種の魅力はそれが一番と萬田氏も言う。
2)はザーネンの場合、春に出産するが、在来種の場合は1年中問わず。
3)乳をたくさん取るには大型がいいだろうが、小型だと扱いやすい。うしおはトカラとシバのミックスでその中でもさらに小さい。家で飼うにはちょうどいい大きさ。
7+3で10の魅力を挙げられた。
昭和30年代をピークに、畜産業が鶏、豚、牛を家畜3大エリートとし、山羊、羊、馬は一般の人が目にする機会はほとんどなくなった。
大量生産をよしとし、個人経営で農業をする時代は終わったが、やはりなんでも行き過ぎると反動がくるもの。
実用面のほかに、犬や猫とは違ったセラピー能力の高い草食動物が注目されてくるのだと思う。
実用+愛玩の両面を併せ持った動物というのはかなりお得なはず。
さらに少し哲学的になるが、電子書籍で発売中の『座敷山羊』の「ヤギの4つの教え」で
1)アルカイック・スマイル
2)負けて勝つ
3)よく味わう
4)人生に拘泥せずに生を生きる
と書いた。詳しくは読んでいただきたい。
魅力を書かれていても、山羊から教わる魅力を言う人は少なく、注目もされていないと思う。
せっかく人間でない生き物なのだから、人間の価値観を超えた教えを受け取らなくては。
ヤギは教えようとせずしてふんだんにその教えを伝えてくれる。
ヤギに教わる感性を持ちたいものである。
そうしてはじめて私たちは「ヤギの友」となれるのではなかろうか。
14の魅力を取り上げたが、ヤギの魅力はまだまだ尽きせぬところである。
いつも言うところだが、「なぜヤギか」は「だってヤギだから」としか本当は言えない。
うしおがおかわりをできるようになったので、You tubeにアップ。
https://www.youtube.com/watch?v=0tKlnSwBh3g