《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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白息のリズミカルなる笑い声
2017.01.05
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白息のリズミカルなる笑い声
白い息に連れてあとから笑い声が聞こえてくる。微妙な時差。
『あの日』問ふ科学者を問ふ読はじめ
小保方晴子さんの『あの日』を読みました。
あの日に戻れるなら、あの日はいつだろうと。
専門的な話はほとんどわかりませんが、ES細胞が混入していたというのは確からしいです。
科学者も人間。科学も人間の営み。
であれば、そこで行われていることも人間そのものが現れているということでしょう。特殊な世界だということはとくにないのかもしれません。
悲しみはたとへば中也の革とんび
「汚れつちまった悲しみに」の詩に、
ー汚れつちまつた悲しみは
たとへば狐の革裘〈かはごろも〉ーと
あります。
中原中也記念館に行った折、彼が着ていたインバネスとも言われるとんびが展示されていました。
当時流行ったもので中原もおしゃれをしていたのですが、中原を包むとんび自体が、中原を包んで悲しみに染みているような気がしました。