《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 | 日記 | 辻田克己集(自註現代俳句シリーズⅤ期22)より

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《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記

辻田克己集(自註現代俳句シリーズⅤ期22)より

2017.01.17

たまたま手元にあった句集。
どなたかも存じ上げませんが、サウナで読了。
勉強になった句を列記する。
これからサウナで句集を読む習慣が定着しそう。
句集はしわしわになるけれど。    


自説などなし吹かれ飛ぶ浜千鳥
  

除夜の鐘妻に小さな耳の穴
  

今年この鏡わが家の何映す
  

寒がりて妻の眼鏡に映りにゆく
  

年の逝く際の際まで男女逢ふ
  

紙漉の濡れ手そのまま娶るべし  

教師一生ひん曲る茄子胡瓜  

蛍とぶ黒き岩また黒き岩
  

蝉声に老杉は耳順ふよ
  

なめくぢの意志まで殺す塩を打つ
  

蛇とみる縄とみる否蛇とみる
  

開拓の指てんと虫つまみとる
  

石踏めば石がぐらりと蝮沢
  

柿山に柿たべ柿の話する
  

薔薇嗅ぎて去る黒髭の郵便夫
  

師の佳しとするを佳しとす木守柿
  

棺桶に封ずこの世の菊・言葉
  

横顔を鷹の思想と思ひけり
  

三歳の春着を翅のごとひらく
  

封筒のなか明るくて風花す
  

リフトにて山頂へなほ冷えに行く
  

柿の村日当りのよき家ばかり
  

妻笑ひだす水栓も杓も凍て
  

濁流に梅雨草靡きつつ死なず
  

鮎食つて峡(かい)の一本道帰る  

この草のその名愛しき思草
  

くらやみで妻に遇ひにし大晦日
  

北窓を開くレッスン五分前
  

もくれんの開ききたるややや淫ら
  

杓のうなづく滴りの涼しさよ
  

緑陰に憩ふ方しくお蔭様

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