《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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男の句会ほか(伊丹市・柿衛文庫)
2017.04.15
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15歳まで住んでいた伊丹。
江戸期に上島鬼貫という俳人がおり、「東の芭蕉、西の鬼貫」と言われていたようだが、俳人でない限りまず知らないと思われる。
伊丹は酒造りでも有名で、鬼貫も酒造業の出身。
伊丹と言えば、酒と俳句と空港か。
鬼貫の句が酒蔵に掲げられていた。
講師は三村純也氏。
15名の句会で、名前通り男ばかり。
予想通りみなご高齢。
私の好きな映画「タナカヒロシのすべて」に出てくる「テルミンと俳句の会」のようにほとんどしゃべらない。
私の提出した句でわりと取ってもらえたのが、
ほどよきは即かず離れず花筏
芽起しの雨や書物の海の底
講師選が
ひさかたの光のかたち朝桜
私が選句したのが
ものの芽や弥生時代の田圃跡
たんぽぽや左ハ京の道しるべ
泣顔が一つ万朶の花の中
人肌のやうな海面春の航
春うらら短針だけの時計台
「春うらら」は本来季重なりで講師も指摘していたが、措辞がよかったので採った。
碧梧桐展が開催されていたので鑑賞。
ついでに隣接する美術館で、「イメージの庭」展がやっていたのでこれも見てみた。
すると、なんとお気に入りの絵本である『おうさまのおひっこし』がメインの原画展ではないか。
数年前に宝ヶ池の響き館で購入したもの。
句会より、碧梧桐展よりもこちらのほうが本日のメインに躍り出てしまった。
ストーリーもおもしろく、動物も私の好きなロバやヤギが登場する。
ぜひ読んでいただきたい絵本、展覧会もおすすめ。
この絵本も販売されている。
想いもしないところで感動させられた。
帰りに昆陽池に寄る。
30年以上ぶりだと思われ、遠足でいったくらいなのでまったく記憶がない。
昨年、鳥インフルエンザが発覚したので、そのせいかコブハクチョウが隔離されていた。
伊丹は土地が高いのが難点だが、落ち着いた住みやすいところ。
1時間程度で行けるので、折を見てまた訪れてみたい。