《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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蝌蚪生まる連綿たる字なかる世に 陸沈
2017.04.20
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蝌蚪生まる連綿たる字なかる世に
オタマジャクシの連綿と連なっている様に楷書ばかりになってしまった現代の文字を思い浮かべました。
行書も草書もなく、デジタルで打ち込まれたくっきりした文字ばかり。
写真は中国の周時代に書かれた蝌蚪文字。
生命の蠢きを感じる。
おどろおどろしくもあり。
シューマンの「ライン」朧に溶けんとす
シューマンはドイツのデュッセルドルフに移住。
ライン河に身投げをしてしまう。
NHKの「N響アワー」の冒頭にも使われていた曲。
流していると春の朧に溶けていくよう。
ドイツではデュッセルドルフに住んでいました。家跡にわりと近いところ。
清明や指揮者足先まで指揮棒
指揮者は腕だけでぶんぶん振っているわけではありません。
動きが大きい小さいはあっても、身体全体を使っているのがいい指揮者。
足先まで指揮棒の先のように神経が通っているよう。
<桜三句詠>
隔たりのほどよき桜並木かな
カップルに与ふ桜の一樹づつ
愛腐るまで見届けむ姥桜