《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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憲法九条はわかりやすく
2017.11.02
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九条を守れという人、改憲せよという人、どちらとも条文をどれだけ読んだのだろうか。
守れという人は戦争反対と書いてあるから変えてはいけないというし、変えろという人は自衛隊の存在が示されていないので明記すべきだという。
しかし、九条ははっきり言って悪文である。
短い文なのに頭がこんがらがってくる。
主語もわかりにくく、指示語の「これ」もまたよくわからない。
どちらの主張も憲法を自分の主張に合うように解釈してしまっている。
国語の指示語の問題があるが、悪文すぎて問題にしようがない。
憲法を変えるというより、主語と指示語をはっきりすべきだろう。
憲法9条
(1) 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又(また)は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
(2) 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
次のようにしてみる。
(1)日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国際紛争を解決する手段として国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または行使を永久に放棄する。
(2)前項の目的を達するため、自衛隊その他の戦力は、災害の救援、専守防衛以外に発動することを認めない。
日本語として意味がすっきり通るように変えてみたがいかがだろう。
憲法は専守防衛を否定してはいないし、陸海空軍の存在を否定していないから自衛隊は認められているというのも明らか。
自衛隊の最たる価値として認められているのが災害の救助なので、これは文言として入れておいても反対は出ないだろう。
改憲賛成、反対は土台が不安定なるがゆえに不毛な議論である。
土台を明確にしたうえでどうするかを自らに問うべきである。
そのためにはまず、意味不明、曖昧模糊な文章をすっきりさせることからはじめなくてはならない。