《古書・古本の出張買取》　京都・全適堂 | 日記 | お客様からのお礼メール

当店はここ数年、店売りをしていないため、お客様と対面することがありません。
買っていただいているということは役に立っているということではあるのでしょうが、本にまつわる話、つまり物語を知ることは一切なくなってしまいました。

そんな中、日本の古本屋に出品していた商品を買っていただいたお客様からお礼メールをいただきました。
本ではなく、「なごやべん」なるカセットテープ。
売れるという気はさらさらなく、実際出品してから３年後のお買い上げ。
お客様からの承諾をいただいて掲載します。
ネット販売は顔が見えないだけに、商売の原点を見せていただいたような気がします。
ありがとうございました。


＞全適堂  ご担当者様

Mです。
入金が遅くなりまして申し訳ありませんでした。

この度注文させていただいた名古屋弁のカセットテープは、17、8年ほど前に私が大阪出身の主人と結婚をする際に義父から、ラジオで名古屋弁の吾輩は猫であるをきいたんやけど、涙流して笑ったわ❗️そんなん名古屋にあるの❓ときかれました。
どうやら、大阪のラジオ番組で流していたのを思い出した様で、義父の喜ぶ顔が見たくてずっと探しておりました。
名古屋の演芸場に電話をしたら、昔あったけどもうないね、と言われ、それでも年に数回は思い出して探すを繰り返していました。
古書店のオークションで見つけ、次の日に注文しようとすると、その古書店のサイトは見つからず又々何年かが過ぎました。
主人と名古屋駅周辺の古書店を探しに行こうかと車に乗り、行きすがら携帯で探していると探していたテープを見つける事が出来、全適堂さんにお願いする事になりました。
見付かり、テープが届くのを待っていた時、義母より、お義父さん癌やねん、と言われました。
主人にテープを渡し、義父に渡しもらうと大変喜んでくれたそうです。
話しを聞いてから20年近くが経ってしまいましたが、何とか義父の小さな願いを叶える事が出来ました。
義父にはまだまだ長生きしてもらわなければいけないので、ストレスを溜めさせない様、穏やかに過ごせる様にしてあげたいと思います。

全適堂さんのおかげです。
本当に感謝しております。
ありがとうございました。

M.M＜


写真は信楽の行きつけのカフェ、ポコアポコの薪ストーブ。
長期休業に入るそうで、再開は春。