《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 | 日記 | 十一面観音像に会いにー南山城編

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《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記

十一面観音像に会いにー南山城編

2017.12.07

南山城は京都とはいえ、文化的、寺の勢力としては奈良に近い。
今回は十一面観音像2体を紹介。


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まずは、先日の秋の特別公開で拝観した木津川市にある現光寺の御本尊がすばらしい。
鎌倉前期とされる重要文化財。
ことにめずらしいのが十一面観音は普通、立像であるが座像であるということ。
鎌倉期のきりっとした感じをもちながら、「まあまあ、近くに座られよ」と誘ってくださっているよう。
大きくはないのでなおさら親しみが湧く。


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もう一体は京田辺の観音寺。
本来は普賢寺であるが、普賢菩薩はなく、国宝の十一面観音像を祀っておられることからそう呼ばれる。
国宝の十一面観音像は7体ある。

渡岸寺十一面観音菩薩立像(滋賀県) 9世紀中頃
六波羅蜜寺十一面観音菩薩立像(京都府) 951年
観音寺十一面観音菩薩立像(京都府) 8世紀後半
法華寺十一面観音菩薩立像(奈良県) 9世紀前半
聖林寺十一面観音菩薩立像(奈良県) 8世紀後半
室生寺十一面観音菩薩立像(奈良県) 9世紀末
道明寺十一面観音菩薩立像(大阪府) 9世紀前半

この中でも木心乾漆で造られているのは観音寺と聖林寺の2体のみ。
聖林寺の菩薩はどっしりとした感じで有名だが、観音寺のほうは国宝とはいえさほど知られているとは言えないだろう。
補修もされているようだが、保存状態が非常に良い。
住職がさっとやってきて、さっと厨子を開いて見せてくれた。
突然この世の光を当てられたようで眼がうつろに見える。

 観音の眼この世に定まらず暗堂の厨子つと開かれて

 住職の語る口調の淡々といまだ読経の続きたるごと

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