《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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粟津松彩子『句集 あめつち』(天満書房)より
2018.05.31
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さながらに伐折羅の怒髪佛手柑
梅林の丘雲去来人去来
頭から足の先まで籐寝椅子
竹の音石の音とも添水鳴る
大琵琶をかたはらに置く昼寝かな
青天が立ち塞がつて雪の道
脳天の吹き出す汗をかきにけり
大琵琶の銀河を浴びてをりにけり
バイオリン聞こえて来さう雪霏々と
鶯の声にけしきのありにけり
小説に赤と黒あり金魚にも
船形の火に海原となる夜空
底冷の底といふ日の京にあり
亡き母を美人と思ふ母の日に
八十九歳の悴む御尤
著者は「ホトトギス」同人(発刊時)