《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 | 日記 | 荒木かず枝句集『真埴』(邑書林)より

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《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記

荒木かず枝句集『真埴』(邑書林)より

2018.09.28

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2018年。
「鷹」月光集同人。

月明のふくろふ骨を吐きにけり」はどの方も絶賛で、私もよい句だと思う。
ただふくろうと一緒に暮らしているので、骨を吐くのを見たことがない。
実際はペリットと呼ばれる骨を含めた消化しきれなかったものを繭玉のように吐き出す。
ご本人を知っているので空想かと聞いてみると、空想でもなく妄想だと。
ふくろうの生態を知っていれば骨を吐くというフレーズは出て来ないだろう。
ここで感じたことは、詳しいことといい句は一概に比例しないということ。
畑仕事に詳しければ農事のいい句を作れるというわけでもない。
私は農事にも花にも詳しくないので、どうかと思っているところがあったが、これを見てまあいいかと多少気が楽になったところがある。
20年以上の句を厳選し、満を持して出した句集。


生身魂山の谺と遊びをり

盆僧の入りし回転扉かな

灯して寒さ加はる生家かな

跪拝解くやうに立ちけり孕鹿

修道女乗り来てすぐに毛糸編む

炎天に食うて海軍カレーかな

差羽追ふ双眼鏡に酔ひにけり

天山へ馬上の漢鷹放つ

夏蝶をさらふ上昇気流かな

銀漢や向ひ合せに坐る旅

回し切るバームクーヘン秋日和

宿題の済みて兎を抱く時間

猫の子の拾はれて鈴もらひけり

行く春の鵜の嘴けづる鵜匠かな

石の家石の静けさ青蜥蜴

ひまはりの黄は従はず裏切らず

冬山や己はげます腰の鈴

狼の声を閉ぢ込め滝凍てぬ

鶯やケーブルのりばバスのりば

捕鯨船霧笛を太く帰りけり

白藤や袴つまみて巫女走る


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