《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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前山松花『日本全国俳人叢書5 漂泊』(近代文藝社)より
2018.12.13
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1989年。
「脈」主宰。
第5句集。
正直、おもしろいと思える句が少なかったです。
半分まで読み進めて、「とどまれば蝉声ふゆるばかりなり」でストップ。
中村汀女の「とどまればあたりにふゆる蜻蛉かな」を思い出して。本歌取りなのかもしれませんが。
木をはなれ落花つぎつぎ飛翔せり
浮遊せる花の遅速のおのづから
汗ばみて少年母に秘密もつ
四辺みな陽炎われも陽炎ふか
無縁の灯ひとつづ殖え千灯会
卯の花や晩年こころ病むことも