《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 | 日記 | 森田峠『句集 三角屋根』(牧羊社)より

◎近畿一円、出張いたします。 一般書から学術書・専門書、現代から江戸(和本)まで。

Top >  日記 > 森田峠『句集 三角屋根』(牧羊社)より

《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記

森田峠『句集 三角屋根』(牧羊社)より

2018.12.22

20181222_202835.jpg

昭和56。
第二句集。
まだこの時点では「かつらぎ」主宰ではない。
字余りもなくきっちりと十七音に収めていて、あとがきにもあるように「写生をそれてゆく人が多い中で、私はいつまでもそれずに写生を深めてゆきたい」とある。
リズムが崩れず、徹底した写生なので読みやすい。


合図より競漕の水尾そろひそむ

村の塵ほとんど枇杷の袋掛

鮟鱇を置きざりにして市場閉づ

条里制わづかにわかる冬田かな

絵葉書にある花を見ずお花畑

ストーブの音のみ会議沈黙す

唇をとぢたる師あり卒業歌

もつれ解く縄に鵜匠のあわてざる

その道の人か利休の墓洗ふ

楠の根のみごとな張りや神の留守

外套の我を点じぬ流人島

てのひらをあてがひ轆轤始かな

地の涯の宿営まず鱈を干す

四股踏める浜の流氷ありにけり

外灯の雪落とすべく雪を投ぐ

佐渡一の川といふなり牛冷す

透きとほるシラスをすくふ夜振かな

一軒家四方の剪定はじめけり

顔ならべ親子の馬は肥えにけり

鼻息が土をとばすや馬肥ゆる


日記一覧へ戻る

【PR】  (有)ジー・ケーサービス  ハローストレージ実籾パート2   陽楽家  Feelings 日暮里整体院  JOYパソコンスクール下館校