《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 | 日記 | 右城暮石『句集 虻峠』(角川書店)

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《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記

右城暮石『句集 虻峠』(角川書店)

2018.12.27

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昭和55。
「運河」主宰。
第3句集。
奥さまを亡くされた句が多く、写生句もすばらしい。
声に出して読みたくなる。
挙げる句が多くなりました。

附き人が菩薩を煽ぐ練供養

皿に盛る鮎のすべりて重ならず

滝水を引きのうぜんの花咲かす

深き雪犬踊り入り踊り出づ

天井に貯へゐたる牡丹雪

枯れ立てる蓮ことごとくフラミンゴ

張りぼての赤き大杯壬生狂言

水切りし鮎金色にかがやけり

泳ぎ着き少年歩く大股に

蛇もまた人間嫌ひひた逃ぐる

うつむきて尾のある形泉飲む

柿山をのぼりて蜜柑山くだる

人が立ち去りて吾立つ白牡丹

アパートの昼の密室水中花

風邪の子の部厚き絵本手放さず

名園をめぐれり蝶は蝶の道

下草を薙ぎゆく前鬼後鬼の裔

油虫影と思ひて捕り逃がす

水着着て己を意識し通しに

折返す螢が強き火をともす

眠る子を父抱き通す紅葉狩

通るもの見逃がさずつく草虱

禅寺を辞す返り花見たるのみ

太陽にかくれ現れ鷹舞へる

循環の水噴水を強ひらるる

霧の裾めくり美林の現るる

断崖に水仙一向宗の国

万緑の宇陀郡ぬけて吉野郡

ポケットの手を出せば鳰潜るなり

穿ちたる氷の穴に薄氷

悴みていよいよ頑固顔となる

薄雪を乗せし薄氷銀閣寺

喪主若し長髪に雪受けて佇つ

白鷺の飽食許す白魚川

生れてすぐその名のおたまじやくしかな

猪垣す猫の額の如き田も

日向ぼこして居ることも忘れゐし

妻の遺品ならざるはなし春星も

手脂のしみし鉄柵滝の道


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