《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 | 日記 | 堀口星眠註『脚註名句シリーズ1-10 相馬遷子集』(俳人協会)

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《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記

堀口星眠註『脚註名句シリーズ1-10 相馬遷子集』(俳人協会)

2020.01.20



昭和59。
「馬酔木」同人。

冬を待つ河原の石のひとつひとつ

風邪の身を夜の往診に引きおこす

百日紅学問日々に遠ざかる

華やかに風花降らすどの雲ぞ

窓開けて湖は見えねど夜の辛夷

北窓をけふ開きたり友を待つ

顔痩せて青田の中に農夫立つ

燕去るや山々そびえ川たぎち

夕づつに牧夫の酔歌牧びらき

いさかひを楽しむ子等か暑き夜も

ストーブや患者につづる非常の語

五月来ぬ水田黒土光噴き

病む人に銀河を残し山を去る

産室の牛がものいふ秋の暮

頭を振れどつひに五十の秋の雲

春寒し人死んで医師残りたる

雪来るか野をくろがねの川奔り

昏睡の病者と吾を蝿結ぶ

人類明日滅ぶか知らず虫を詠む

慇懃に金貸す銀行出て寒し

寒明けや欅の全枝天に生き

梅雨の木菟鳴き出で分つ死者生者

雪の原猟銃音がわれを撃つ

父みとる母居眠りて去年今年

罪のごとし囀る鳥の名知らぬは

薫風に人死す忘れらるるため

邯鄲を飼ふわが庭のいづこかに

美しき虹なりしかば約忘る

鳴く虫のひとつひとつに星応ふ

鳴く虫の命を切に思ふ夜ぞ

わが山河まだ見尽さず花辛夷

遺書書けば遠ざかる死や朝がすみ

長き日よ点滴注射さらに長く

昨日より今日大いなる雪の嶺

病みて見るこの世美し露涼し

いわし雲人は働き人は病む

死の床に死病を学ぶ師走かな

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