《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 | 日記 | 中野湘舎『句集 五叉路』(本阿弥書店)より

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《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記

中野湘舎『句集 五叉路』(本阿弥書店)より

2020.09.04



2014年。
「春風」同人。第1句集。

人日の戦略会議始まりぬ

雪積むと母の便りの短くて

野辺送りすませて薄き蜆汁

巨人戦の切符出てきし曝書かな

商売の相手も夏に負けてをり

これがかのローレライなり船遊び

雨止めば遅ればせなる花火かな

荒されし王家の谷や蝿多し

光秀に焼かれし寺の紅葉かな

妻の座に定年はなし葱刻む

着膨れてハワイの土産話聞く

古暦ドガの少女の絵は残し

獅子舞の獅子より出でて笑ひけり

黒枠のファクシミリ来る寒さかな

麦青むアルル郊外一望に

マウイまで来てベランダの昼寝かな

初孫の色の白さや涼新た

夫をまづ寝かせてからの夜長妻

佳きときの何ぞ短き黄落す

目の前のものを探して冬座敷

スメタナの国のあなたの雲の峰

ながながと閉店セール残暑かな

かばの目と耳の出てをる水の秋

日に一つ何か忘れて日の短

ギャラリーに帰宅難民春寒し

冴返る日課のやうに余震来て

大花火ひらき隣家も大拍手

くさめして師の講評を聞き漏らす

絵の進歩一目で知れる賀状かな

擦れ違ふ顔みな歪む寒さかな

万愚節ホームベースを踏み外し

夕霧や鐘の音も一景として

冷まじきものに高座の談志の目

帰宅して外の寒さを訊かれけり

行くところあるは幸せ初句会

ピンポンの効果は笑顔初稽古

割り勘の綺麗に割れて万愚節

エンディングノート真つ白星涼し

二歳児が兄を呼捨て赤のまま

覚えたる分だけ忘れ文化の日

覚悟して来たる北山底冷す

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