《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 | 日記 | 渡部節郎『句集 転舵の渦』(本阿弥書店)より

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《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記

渡部節郎『句集 転舵の渦』(本阿弥書店)より

2020.09.11



2009年。
「沖」同人。第1句集。

若葉風抱へ気功の型うごく

咲くといふ白木蓮の解けやう

拗ね心あるやも端居して在す

鯛焼と判る温みを渡さるる

裸木と違ふ肌して立ち枯るる

あの時はあれでよしとす朧かな

省くものなくて涼しきこけしかな

一湾の要となりし大西日

切株の渦みな楕円山眠る

九十九里を転がつてゆく冬の雷

声明に雪解しづくの和してをり

凧糸の撓みに風の機嫌かな

東風に鳶風切羽を全開す

手枕の痺れ卯の花腐しかな

男滝仰ぎて己がせりあがる

一切の音を拒みて蝉時雨

手と足がやつと繋がり盆踊り

師の在さばあの席ならむ初芝居

山肌に一刀彫の春の滝

滴りに光の重さ加はりぬ

百態をみせて一匹金魚玉

鯊が好きとぼけたところ妻に似て

百条の糸・紐・帯に秋の滝

友禅に似たる葉月の潮目かな

沢水の山葵田経由きらきらす

夏服のポケット何を減らさうか

九十九里を一気に祓ひ海開き

水の面に風の点描散もみぢ

車椅子何見て来しか春の泥

箒目に咲き継ぐ今朝の落椿

雲海に船団めきし遠嶺かな

照紅葉天蓋にして足湯かな



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