《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 | 日記 | 小森邦衛『句集 漆榾』(角川書店)より

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《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 の日記

小森邦衛『句集 漆榾』(角川書店)より

2020.12.27



2016年。
「藍生」会員。第1句集。

あたたかねと言つたきりなる夫婦かな

朝飯を食うてまた寝る残暑かな

寒雷や能登を離れて能登のこと

地虫出て月の雫に濡れむとす

暑いねと言へば涼しく振り向かれ

素手素足加へて素顔また涼し

鮒鮓や近江に知人一人出来

行く雲を手枕で見る今日の秋

天高し腹の底より笑ふとき

こんなところで出るな出るなよ大くさめ

病む人に耳も目もある夜長かな

家訓とて砂糖二杯の玉子酒

菓子盆もこの日のためや初点前

花ぐもり見てゐて何も見てをらず

二度三度妻に呼ばるる葛櫻

鮎釣りも句作も遊びただ遊び

よき出汁と誉めつつ手繰るきのこ蕎麦

妻に茶を点てて勤労感謝の日

日脚伸ぶ私もゆくと妻が言ふ

鳥雲に入りても心定まらず

かなかなや我に残れる刻いくばく

山眠る我には我の神あらん

短日やわれ饒舌に妻無口

飯を炊く釜揚げしらすほかいらず

春時雨人に素直な日となりぬ

我はなぜ我に生れしや漆掻

竹伐つて竹の匂ひを担ぎ来る

読書灯消すや寄せくる虫の声

お先にと蕎麦湯を置きて寝まる妻

柚子湯して一家といへどただ二人

ゆく秋や大きく息を吐きて逝く

雪の日やただ黙々と漆塗り

半分を雲に貸したる冬銀河

真冬日や誰か来ないか誰も来るな

仕事目になりつつありし二日かな

ひよんの実や心の丈を音にして

雪の舞ふ雪のむかうに雪の降り


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