《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 | 日記 | 滝口滋子『句集 ピアノの蓋』(ふらんす堂)より

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《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 の日記

滝口滋子『句集 ピアノの蓋』(ふらんす堂)より

2021.01.14



2018年。
「いには」同人。第1句集。

青年の鋭角の顎風薫る

全力で走りたる夢桜桃忌

ふとん屋の軒に顔出す燕の子

演劇のちらしに子の名新松子

揚羽蝶風にとまつてゐるやうな

神輿追ひ太平洋へ出でにけり

椿落つ大地に印を押すごとく

棚田描く夏帽のつば上下せり

ひとひらの羽の吸はるる蟻の穴

浅春やワイングラスの藍の脚

緬羊を追ふ犬花菜あかりかな

蟇父を永らへさせ給へ

弟は田植機兄は草刈機

地下鉄の四角き出口花明り

山笑ふ往復同じ運転手

父逝きて盆の作法をひとつづつ

はつなつのうすももいろのやぎの耳

うぐひすもちくさめこらへてゐるらしく

夕日まで秋草をかきわけてゆく

檻の虎行きつもどりつ残暑かな

ながれ来るものに春立つひかりかな

二歳はやママを守ると天高し

歩く這ふ飛ぶもののゐて炎天下

穂芒のひかりの中へ一両車

先に眼を逸らせしは吾檻の鷹

眼の奥の痛し冬空青すぎて

大洋へ照る菜の花の金の帯

滝しぶき一枚岩を耀かす

日の神と月の神舞ふ浦祭

数へ日や領収印のややななめ

舞ふやうに捌く鵜匠の利き手かな

若葉風水だけでもと寄りし墓

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