《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 | 日記 | 米澤光子『句集 吹いてやろ』(本阿弥書店)より

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《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 の日記

米澤光子『句集 吹いてやろ』(本阿弥書店)より

2021.01.20



2001年。
「火星」同人。第1句集。

孕猫月のひかりの水を飲み

寒卵こつんと割りて今朝ふたり

拗ねてゐる子の足見ゆる秋簾

背を向けて何燃す母や凌霄花

元日や秤の上に嬰泣きぬ

エプロンに貰うて来たる子猫かな

恐竜と子猫の眠きおもちや箱

とろ箱に蛸戻されて糶られけり

スカートを摘まんで跳んで蓼の花

虫喰ひの花南瓜の開きける

カーテンを人差指で覗く冬

城崎の雪礫まづ夫に投げ

両の手に抱きし西瓜に寝癖あり

昨日まで苦瓜裂くるとは知らず

鯖雲の鯖雲らしくととのひし

梯子押さふ冬雲と夫ばかり見て

酢なまこにもの言ふ物理教師かな

梟が貌もどしたるこの世かな

正面よりその人を打つ草矢かな

出目金がぽこんと空気吐きにけり

松茸の籠が着席したりけり

鬼役の鬼となるまで懐手

膝揃へなやらひの鬼寒がりぬ

内股に足袋の干さるる朧かな

花どきの理髪師うかと逝きにけり

熊ン蜂の投票場の一波乱

馬車馬に目隠しありぬななかまど

蝉の殻干雑巾に止まらせぬ

わが足の短かりしよ稲光

走り根に日の移りたる冬の蜂

焼藷を放れば受けて昼休

しんがりは孕む羊と少年と

水澄んで牛に鼻づらありにけり

満月に触れし翼灯傾きぬ

元日の胡坐の中に嬰がゐる

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