《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 | 日記 | 田中君子『句集 大津絵の鬼』(ふらんす堂)より

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《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 の日記

田中君子『句集 大津絵の鬼』(ふらんす堂)より

2021.03.24



2005年。
「泉」同人。第1句集。

茶が咲いて日向の猫のうすまぶた

病める子の部屋に放ちし螢かな

寒の雷壁の写楽の大目玉

嫁の手を借りて鏡を開きけり

魞舟をながめて坐る遅ざくら

炎吹くこともして見せ夏芝居

霞草夫を泣かせてしまひけり

生身魂また叱られてをられしよ

流氷の骨身をけづる音ならむ

行水や嬰のふんぐり浮かばせて

生身魂銭をかぞへてをられけり

生身魂乳房が憂しと申さるる

破魔矢受く人雑兵のごと群るる

啓蟄のマンホールより人の声

そろそろと子が退屈で壬生狂言

冬凪やぱらりと白い船撒いて

炉話の羆は尻に敷かれけり

卵黄に血の一筋や走り梅雨

夫置いて死ねぬ木枯吹く夜は

風船売一つとばして見せにけり

湯上りの子供の数や砂糖水

女ゐて秋の簗場を掃いてをり

蕎麦湯溶き残生計ることもなし

瀧涸れて仏相の岩ありにけり

白象の足より巻かれ涅槃絵図

背なで泣く芸もあるべし近松忌

キリストの肋もつともすきま風

朧夜の抱けば軽き夫の骨

夫の墓冬あたたかでよかつたね

煮上がりし小豆の色や女正月

借られたる目に目薬をあふれさせ

つまの香の残りてをりし竹婦人

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