《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 | 日記 | 薗田みちる『句集 東山』(俳句アトラス)より

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《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 の日記

薗田みちる『句集 東山』(俳句アトラス)より

2021.03.29



令和1。
「雪解」同人。第1句集。

京盆地しまく黄砂に沈みけり

天に咲く泰山木の錆やすき

水馬影の大きく流さるる

比叡より秋の京射る日矢のあり

時代祭武将落馬にどよめきぬ

手を引かれ見掛けぬ顔も地蔵盆

枯れ枯れて哲学の道モノクロに

白鷺の飛びゆく先に初比叡

春風に両手泳がせ一輪車

若竹に青き雨降る詩仙堂

蜘蛛の囲の風をたをたを行かしめる

競落す度の鐘の音涼しかり

寒晴や縞馬縞を際立たす

梅東風や大路に開く御所の門

梅ほつほつ人ぽつぽつと御所ひろら

梅寒し鶯張りの廊長し

蝉しぐれ蛤御門潜るより

木犀の散る香に噎せて庭を掃く

山風に川風に里葛の秋

名水に浮かべて販ぐ新豆腐

一穢なき御所の初空凧あがる

冬麗の城にガイドの声徹る

棒鱈の薪のごとくに積まれあり

落葉浴び落葉の嵩に溺れ行く

賀茂川のひかりに沿うて鳥帰る

雲間よりひかりを曳きてつばめ来る

一山の鼓動の如く滴れり

茶畑の平らを掠め夏燕

残る虫一縷の声の澄みにけり

数へ日の些事のきりなく暮れにけり

風花や日当たる方へ道とりぬ

鐘の音の凍てて余韻のなかりけり

街路樹の切詰められし寒さかな

冬至の日互ひの影を踏み遊ぶ

京格子磨き餅花飾りけり

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