《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 | 日記 | 橋添やよひ『句集 高瀬川』(ウエップ)より

◎近畿一円、出張いたします。 一般書から学術書・専門書、現代から江戸(和本)まで。

Top >  日記 > 橋添やよひ『句集 高瀬川』(ウエップ)より

《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 の日記

橋添やよひ『句集 高瀬川』(ウエップ)より

2021.10.05



2005年。
「風土」同人。第1句集。

つくづくし素顔で過す日曜日

荒縄のばさりと届き鉾を組む

鉾を見る夫にゆだねし手に気付く

気に入らるまでの年月小豆粥

蜜豆やスカートの丈短かめに

紫陽花のいろ抜く雨の白さかも

夏空へジャングルジムの子が届く

大原や右も左も紫蘇畑

サングラスの中へ入り来るロシア船

夫見舞ふ雨傘に花貼りつけて

父へ貸す手の右左水温む

兄振りや弟振りや白絣

弥陀涼しきつね格子の明るさに

ははの忌に次ぐちちの忌や蛍飛ぶ

送り火やその横顔の仏めく

子の言ひ分通す振りしてとろろ汁

新涼のふところとなる楠大樹

水美しき和紙の里なり竜の玉

沙羅を愛で本堂を背にしてゐたり

奈良町の京より早き秋の風

湖の冷えまとひ近江の亥の子餅

日向ぼこ尻の形の椅子二つ

筆立に古筆ひしめく花曇

石塁に石の仏や蜥蜴這ふ

火祭の男の浴びる力水

火祭の果てたる闇の濡れてをり

枯るる中来て教会の懺悔室

春浅き京都大学時計塔

山門を降りるや月の使者めきて

文字白き伝言板や黄落す

敵味方墓所を一つに蝉涼し

日記一覧へ戻る

【PR】  センチュリー21コスモランド  A.B.C.カイロプラクティック  うえまつカイロプラクティック  そーいんぐ・すていしょんコミニカ  オニキス東金田間店