《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 | 日記 | 来住野臥丘『句集 日雷』(霧の音発行所)より

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《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 の日記

来住野臥丘『句集 日雷』(霧の音発行所)より

2021.11.23



平成4。
「寒雷」同人。第3句集。

松飾立ちて図書館休館日

山ざくら奥多摩になお奥ありて

蟻の列の吾も一匹となり続く

折れし茎皮でつながり曼殊沙華

かぎりなく落葉流れ来流れ往く

冬霧や吐かねば怒り溜まるのみ

降りはじめの雪しばらくを舞いあそび

妻がつけ少し不満の子猫の名

梅一分窓なき仮設トイレ建つ

寝姿の佐渡置き秋の海たいら

大嚏に覚まされし猫大欠伸

浮寝鳥ねむれぬらしき二羽離れ

風よけに立ち迎火を子に焚かす

枯れはじむ蟷螂の目にうるみ見ゆ

見下ろすや山法師みな見上げ咲く

梅雨茸を取りてすぐ捨て女ゆく

かたつむり攀ずも退るもなく明けし

秋黴雨人立てば寄る牧の驢馬

冬ざくら振り向けば日の中に消ゆ

穂絮飛ぶ標高一万尺の天

星一つ見えてしぐるる露天風呂

ふくらみて糞をぽとりと寒雀

身を舐めて老猫の恋しずかなり

男よき時代過ぎけり古浴衣

石棺をのぞきて夏の風邪ひけり

山蛭を女跨ぎてより怯ゆ

曼殊沙華の火焔そのまま滅ぶ色

毛虫焼く女へ子供来てママと

枯欅雀百羽をばら撒けり

探梅やカイゼル髭の人と会う

日雷縫合の痕縦一尺

冬菫待たされている杖の先

腎一つ取られ生得し去年今年

百日紅自愛をせよと人には言い

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