《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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黒田淑子『句集 絵筆』(玉梓発行所)より
2021.12.29
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令和3。
「玉梓」同人。第1句集。
異国より帰りて花の淡きかな
母の日の母の絵を見に帰りけり
病床の夫に若葉の風通す
サングラス掛けて歩幅の広がりぬ
三世の動き出したる原爆忌
散紅葉掃かれぬままに砕けゆく
正月の母やまだまだ生きる顔
まだ雲に形ありけり走り梅雨
訪うて語らふのみの母の日や
手鏡を眺める母や半夏生
ここまでと決めて草取りはかどりぬ
ひとゆらぎ待ちて湯豆腐母に盛る
腰低うすればするほど草芳し
落つるとき重さを見せて肥後椿
人に会ふことこそ人や風薫る
盆踊一周りして母の許