《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 | 日記 | 河野美千代『句集 国東塔』(コールサック社)より

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《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 の日記

河野美千代『句集 国東塔』(コールサック社)より

2022.01.06



2020年。
「沖」同人。第1句集。

冬花火果て群衆に気づきたる

還暦の未だ夕焼ほど闘志あり

北風や仁王の眼こぼれさう

夏よもぎ門だけ残る校舎跡

もろもろの管抜き去つて死者涼し

爪立ちを覚えたる子に天高し

お降や音に過敏な耳ふたつ

春風と睦みて水車稼働待つ

投函の音なき不安春の闇

冬帝も来し僧正の大葬儀

たんぽぽの絮奪はれて棒立ちに

ぜんまいや思ひ巡らす日の多し

太陽に似合ふ水着を買ひにけり

紅葉かつ散る山門の柱瑕

木の葉髪まだ捨てきれぬナース帽

魚偏の並ぶ品書き春近し

折り鶴に少し重力春の風

湾といふ袋のかたち春の月

つくばひの小さき孑孑共和国

父の背のやうな黒板夏休み

風化せし磨崖仏の手小鳥来る

鹿鳴くや村の灯一つづつ消えて

遊ぶ子は香車のごとく桜東風

黄砂降る夫の電話はソウルより

峰入の了へし草鞋のうすつぺら

錠剤にローマ字小さき文化の日

土筆ぎつしり野の起伏そのままに

料峭や「いいえ」が多きアンケート

しばし観て心にしまふ春の月

濡るるとは生きてゐること御輿草

すつときて囁くやうに赤蜻蛉

指揮棒の大波小波文化の日

電柱なき古き町並み美濃時雨

助手席にすらりと長き葱の束


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