《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 | 日記 | 音羽和俊『句集 春の雪』(草樹俳句会)より

◎近畿一円、出張いたします。 一般書から学術書・専門書、現代から江戸(和本)まで。

Top >  日記 > 音羽和俊『句集 春の雪』(草樹俳句会)より

《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 の日記

音羽和俊『句集 春の雪』(草樹俳句会)より

2022.02.22



平成25。
「草苑」同人→「草樹」会員。第1句集。

マフラーの結び目太く少年来

ふらここの蹴上げる空の軽さかな

初恋も失恋も海ソーダ水

葉桜となって漢の空となる

シャガールの羊と冬の午後に居る

あきらかに梟こちら見て居りぬ

石鹸玉吹く口をして子の眠る

入学の子の振り返る目と合いぬ

真砂女忌となる日の膳のほたるいか

品書きの墨匂い立つ良夜かな

時の日のひとそれぞれの影の丈

日の中で少し膨らみ寒雀

吹雪の夜軍医の顔に戻る叔父

新巻の目にうっすらと潮の跡

陽炎や休むことなき山羊の口

勝手口までのこのこと春の月

草むしり尻向けられている先祖

秋扇ぐいと挿したる男帯

終戦日敗戦日とは言わぬ叔父

地蔵盆泣く子走る子手合わす子

母九十息子六十滑子汁

この世のものは何も映らず龍の玉

その中の一本を子に軒氷柱

新聞紙ごと供えられ初蕨

花見舟傾く程に女子のせ

老いて手も足もロボット目刺焼く

祈ることから耕しの始まりぬ

風車女が持てば回りだす

陽炎の吐き出す牛と牛曳きと

打ち水に軽くもなりて宿の下駄

仰け反りて月へと除夜の鐘撞かれ

母送る日の塀越える雪の丈

賽銭は千円と書く初日記


日記一覧へ戻る

【PR】  榊原畳店  社交ダンス衣装とダンスウェア愛のルビヤ  タカヤス造園  日本ハーツ株式会社  ヘアーサロン リィード