《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 | 日記 | 安立公彦『句集 早春』(本阿弥書店)より

◎近畿一円、出張いたします。 一般書から学術書・専門書、現代から江戸(和本)まで。

Top >  日記 > 安立公彦『句集 早春』(本阿弥書店)より

《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 の日記

安立公彦『句集 早春』(本阿弥書店)より

2022.03.24



2017年。
「春燈」主宰。第1句集。

ゆく春の何に涙や子の寝顔

蝸牛や勤めある身は影を曳き

竹春の雲は高きをわたりけり

山笑ふことに雑木の明るさに

海やまに海やまのこゑ終戦忌

八月や覚めて畳のひややかに

触れあふは囁くに似て冬木の芽

泰山木男の白さもて咲けり

ひとすぢの月光となり滝落つる

牛の眼も雲も八月力充ち

初日記日のあるうちに記しけり

幼児の文字こそよけれ寒見舞

姉弟の指のよく似てさくら餅

斯かる夜は母在るごとし遠蛙

狐憑いて月に舞ひゐる男かな

しづけさに耐へて書を読む二日かな

身の内の夏野が消ゆる夜の雨

秋風の横顔ばかり人の中

猫に手を預けられゐて冬ぬくし

行春や埃うすづく文庫本

六月の花嫁真理よきれいだよ

桜蕊降るも一会といふべしや

十薬の日蔭育ててゐたりけり

早春や少女矢を射て息を継ぐ

道すがら聞く卒業歌しばし聴く

ひとり舞ふ神楽の鬼や冬社

啓蟄や膝ふくよかに結跏仏

天空にクラインの壺稲光り


日記一覧へ戻る

【PR】  ドッグアロマ シュプレーム  神戸マネースクール  ナーブンタイレストラン  お家のような美容室 Hair room ELEGO 辻堂  個別指導 s-Live(エスライブ)かながわ北山田駅前校