《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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加藤楸邨『句集 山脈』(書肆ユリカ)より
2022.07.08
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1955年。
「寒雷」主宰。第2句集。
沈黙の金、玉蟲と夕焼と
唖蝉や鳴かざるものは暑くるし
黄金蟲灯に酔ひ兜蟲は攀づ
黴の中言葉となればもう古し
石の蝶金色すべく没日まつ
しぐれをきし額をもつて熱診られ
落葉何かに辿りつかんと光るなり
しづかなる力満ちゆき螇蚸とぶ
胸の書が音してひらく秋の風
雪は雫に夜は妻の手あたたかし
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加藤楸邨『句集 山脈』(書肆ユリカ)より
2022.07.08
1955年。
「寒雷」主宰。第2句集。
沈黙の金、玉蟲と夕焼と
唖蝉や鳴かざるものは暑くるし
黄金蟲灯に酔ひ兜蟲は攀づ
黴の中言葉となればもう古し
石の蝶金色すべく没日まつ
しぐれをきし額をもつて熱診られ
落葉何かに辿りつかんと光るなり
しづかなる力満ちゆき螇蚸とぶ
胸の書が音してひらく秋の風
雪は雫に夜は妻の手あたたかし