《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 | 日記 | 中間一司『句集 すばる』(ふらんす堂)より

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《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記

中間一司『句集 すばる』(ふらんす堂)より

2022.09.19



2022年。
俳人協会幹事。第1句集。

寒灯や高麗仏の胴細し

竹林を這ひくるにほひ雨水かな

白玉や店の奥より水の音

婆たちの余興となりし田植唄

朝涼や杉の丸太の晒されて

冬立つやセーラー服の二本線

見覚えのある冬帽子こゑかけず

寒晴や背中合はせのストレッチ

鳥帰るけふ閉園の観覧車

入学す立て看板に囲まれて

のどけしやボンタンアメの箱の色

遠足のしんがりを行く拡声器

学校に慣れて来し頃柿若葉

ゆつくりとミシン踏む母茄子の花

涼しさの奥へ奥へと京町家

棟梁の祭のあとの独り酒

夏蝶のV字谷へと落ち行けり

廃校の門扉の鉄鎖蝉しぐれ

だれもゐぬ部屋に首振る扇風機

引越の軒に残りし釣忍

下山して一夜の宿のきのこ飯

コスモスやきみの消息それつきり

夫婦してワイン一本良夜なる

六甲の大きく見えて初電車

みすゞ忌や海を見てゐし一少女

始発待ついつもの四人卒業す

観世仏めぐる湖北の花の雨

バスを待つ白きイヤホン若葉風

かき氷始めましたとたこ焼屋

洛中も洛外もなし夏つばめ

川音も釣瓶落としの湯治宿

猟へ出る荷台の犬の大人しき

予備校に自転車あまた年詰まる

枯れ菊を焚く火にしばし父母のこと

すれ違ふ二隻のフェリー白雨中

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