《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 | 日記 | 村上光代『句集 夏空』(東京四季出版)より

◎近畿一円、出張いたします。 一般書から学術書・専門書、現代から江戸(和本)まで。

Top >  日記 > 村上光代『句集 夏空』(東京四季出版)より

《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記

村上光代『句集 夏空』(東京四季出版)より

2022.10.25



2022年。
「玉梓」同人。第1句集。

天井にうねる双龍淑気満つ

撫牛の仔は親見上げ梅見上げ

竹の皮脱ぎ散らかして伸びゆけり

連山の消ゆる卯の花腐しかな

流されぬやうに流れてゐる花藻

聞え来る祭囃子に乗りて家事

山頂へ雲駆け登るお花畑

精米機くぐりて温し今年米

冬帽子かぶれば母と間違はれ

回り道も近道もなき恵方かな

女正月ちよつと散財したくなり

種物屋鍬も並べて売りゐたり

種袋買ふこんな花咲かせたく

吉野杉運びし川の花筏

海の水すくへば無色夏来たる

鉾建を巡り方角見失ふ

山を裂き風を起こして滝落つる

渋柿と言うても齧りたがる子よ

海に顕ち海に消えゆく秋の虹

散紅葉乗せて叡山電車混む

惑星のひとつに住みて蒲団干す

のどけしや校舎まるごと文化財

鐘の音も風も涼しや岩船寺

六道参り幽霊飴の溶けさうな

西方へ船形の火の漕ぎ出しぬ

失せしもの得たるものあり古稀の秋

雀食む熟柿鴉の食べ残し

春泥をこね回したるサッカー部

馬の仔の四肢細すぎて長すぎて

歳問はれ指一本を夏空へ

玻璃越しの虎の肉球夏休

玉の汗玉の涙の球児かな

青空は硝子張りなり水の秋

白菜を煮て白菜の嵩減らす

日記一覧へ戻る

【PR】  cafe+bar西 (カフェプラスバーニシ)  スターズガーデンズアートスクール                 アトリエもりなか  NiCO鍼灸整骨院  モダン仏壇「古都錦堂」