《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 | 日記 | 藤田柊車『句集 望潮』(ふらんす堂)より

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《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記

藤田柊車『句集 望潮』(ふらんす堂)より

2022.12.13



2007年。
「狩」「廻廊」同人。第2句集。

花篝城を影絵のごとくおき

囀りを四方より入れてマリア堂

胡桃割る怒りの力かりて割る

いさかひの相手もなくて啄木忌

ポケットベル鳴りて花野を引き返す

オリオンの胸へ一挙にとんどの火

わた飴に顔のかくれて七五三

火事跡の残る柱に火伏護符

諾はず拒まず解かず懐手

汗の身にのぞく異国の懺悔室

門火焚く膝より低く火を育て

裸木となりてみなぎるものの影

山の風もろとも封じ袋掛

花冷の膝を揃へて渡し舟

灸花死よりも老の怖ろしき

重陽や湖国の星の粒揃ひ

海抜を聞きて寒さのつのりけり

よその子も叱りし昔茄子の花

リフトよりひらりと降りて花野人

流灯の千の瞬く暗さかな

馬の背に吹き寄せられて枯木星

遠山の揺れゆるやかに青簾

天領の天に触れむと夏燕

天崖の滝の滝壷日本海

仏壇のひかは灯さず門火焚く

豆飯や無欲といふも欲のうち

まくなぎのバベルの塔を手で払ふ

鉄が鉄削る匂ひや雪催

秋茄子の紺きつぱりと水はじく

初明り光のごとく水流れ

人日やこころ開くに手を握り



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