《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 | 日記 | 大堀柊花『句集 増』(本阿弥書店)より

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《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 の日記

大堀柊花『句集 増』(本阿弥書店)より

2022.12.19



2002年。
「狩」同人。第2句集。

舞初や見えざる富士へ手をかざし

鬼女出でて火の強まりし薪能

くちびるをうるほせしのみ菊の酒

湯豆腐の角ふれ合うてそこなはず

恵方へと水上バスに人あふれ

灯を入れて涅槃哭く声よみがへり

調教の鞭はつかはず花に沿ひ

木の橋のあうらにやさし蛍狩

殺しなきことのさみしき夏芝居

三伏の雲の白さのただならず

嚏して買ふ七色の唐がらし

羽子板や敦盛ひしと組み敷かれ

口づけとみせすれちがふ熱帯魚

一向に漕ぐけはいなき恋ボート

裘ぬいで女にもどりけり

雉打ちの美しき尾をひきずりて

青簾下ろし心を強くせり

人を待つ遠まなざしに登山馬

蜜豆や窓に真青な海ひらけ

散りぎははめつたにみせず冬桜

半生を古書に仕へて石蕗の花

閻王の真つ赤な舌を煤払ひ

初夢の手を逸れゆきし舞扇

野遊びに久米の仙人らしきひと

両岸の桜ひき寄せ舟すすむ

雪明りにて源平の合戦図

晒巻く胸をゆたかに祭髪

鮨桶の中は生首夏芝居

埋立ての島に遊びて建国日

お稽古の人の出入りや釣忍

舞初や鐘を撞くにも扇もて

麦踏んでやさしくなりし足の裏

しだりをのしだれかさねて糸桜

月の夜は金の糸吐き女郎蜘蛛

ごつそりと黒髪がぬけ夏芝居


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