《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 | 日記 | 渡辺花穂『句集 夏衣』(北辰社)より

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《古書・古本の出張買取》 奈良・全適堂 の日記

渡辺花穂『句集 夏衣』(北辰社)より

2023.01.08



令和2年。
「天穹」「銀漢」同人。

芽吹き初むこの木なんの木気になる木

電池切れの怪獣を抱く昼寝の子

破芭蕉切り取り線のあるやうな

生クリームの角が立ちたる天高し

蜥蜴出づクレオパトラの浴槽に

春の星ハープの余韻膨れ来る

寝たふりの園児もゐたる昼寝時

星涼し馬乳酒の杯高々と

マヨネーズのさいごの絞り鵙高値

九体仏にまみえ白息しづめけり

薄氷を絵踏のごとく歩みけり

しやぼん玉目の前に来てこはれけり

夕端居をりをりに聞く風の詩

母の忌や干柿ほのと粉を噴く

観音の御目小筆で煤払ふ

暖炉燃ゆ祖母はだんだんこけし顔

読みかけの絵本そのまま初昔

洛中は書割のやうさくら時

粒胡椒の色のとりどり巴里祭

舞楽面ぬげば日焼の小学生

瓢湖てふバス停隠し雪しまく

白鳥来てんやわんやの小さき町

上げてより雪見障子となりにけり

金箔の浮かぶコーヒー松の内

国引きの山をしるべに神渡し

風狂の徒とも吉野の冬日抱く

煮ゆるとき音を違ふるおでんの具

新巻を吊るす荒縄飴色に

初空へ弥陀を吐きゐる空也像

待春や側転の子の長き脚

魚は氷に上り外泊許可の下る

梅が香の届くところに絵馬を掛く

しやぼん玉一気に吹けば子だくさん

路地すずし生麩のやうな京ことば

豊年やままごとの皿大盛りに

釣瓶落し子規庵の庭巡る間も

酸茎売る寂光院のしづけさに

香煙も押し合うてゐる年の市

薬の香紙風船の畳目に

空席の卒業生の名も呼べり

直角の木椅子の背や聖五月

万緑の要に熊野三社かな

曼殊沙華極楽の風得て燃ゆる

御仏の乗れぬほどまで破蓮

留守詣一言主に二言を

寒菊のひかり零さぬやうに剪る

水とくとく年の瀬に耳洗はばや


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