《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 | 日記 | 川合民子『句集 春障子』(東京四季出版)より

◎近畿一円、出張いたします。 一般書から学術書・専門書、現代から江戸(和本)まで。

Top >  日記 > 川合民子『句集 春障子』(東京四季出版)より

《古書・古本の出張買取》 京都・全適堂 の日記

川合民子『句集 春障子』(東京四季出版)より

2023.01.21



平成9。
「松籟」同人。「沖」会員。

大根をごぼごぼと炊く風の夜

栗飯のほつこり炊けて嫁姑

鳥雲に二伸まである母の文

夏めくや女の白き土踏まず

瞑りて奈落見るごと髪洗ふ

大焚火指の先より輪に入りぬ

木曽は雪蔵にみその香うるしの香

実年と呼ばれ男の懐手

雪ぼたる母には訃報伏せておく

またひとり女が遺り雪の葬

声かけてははの居さうな春障子

山眠る起さぬ程の斧こだま

母在せし部屋そのままに北閉ぢる

貼り薬すぐに剥がるる雨水かな

光にも風にも馴れて牡丹散る

朝市の言ひ値くづさぬ新生姜

黄落の一隅で売る肖像画

嬰の名で届く赤飯菊日和

両腕に量感しかと嬰の初湯

良寛の端居の辺り手鞠売る

分身の眼鏡秋澄むまで拭けり

白粥の湯気のゆくへの春障子

近江路や使ひはじめの白扇

時鳥啼いて伊香保は蘆花の街

蓮の露ころりとこぼれ尼の恋

さくら冷えやすうけ合ひの約ひとつ

子らの来て母の日らしく過ごしけり


日記一覧へ戻る

【PR】  石川県・金沢市で結婚指輪を探すならジャンティールキタカミ タテマチ店へ  はまや商事骨董美術品/鳥取市気高町(鳥取市と倉吉市の中間地点車で30分)  弁天ジャスミン茉莉花  NAME ART  石田朋子バレエ学園 緑地教室