《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 | 日記 | 持たないことでシンプルに

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《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記

持たないことでシンプルに

2012.02.13

当店は倉庫を持たず、車も持たず、アルバイトも雇っていない。
古書店としては一般的なやり方ではないだろう。
しかし、見回してみるとどの職種に限らず、”やった気になっている”だけで、実際はただ雑務をこなしているだけといったことが多いように見受けられる。

倉庫を借りれば、そこへどんどん詰め込めば仕事をした気になってしまう。
もちろん、経費もかかる。
倉庫というのは本の仮の宿だが、奥に入ったものは何十年と動かされないことが往々にある。
これは無駄でしかないので、仕入れがあればなるだけ早く、整理をしてしまうのがよい。
うちは小さな土間が一時置場なので、大口ならすぐに埋まってしまう。
その圧迫感を緩和しようとするので、自然と整理が迅速になる。
倉庫を持たないのは、死蔵させないためである。

車を持たないのは、レンタカーを使うからだ。
もちろん経費の問題もあるが、車庫証明やら車検やら保険やら駐車場の契約やら車両税やらと、自家用車なら手続きが結構あるものだ。
とにかく、なるだけ手数を減らしたい。これが一番。
そういった事務作業で忙殺されていると、これもまた仕事をしたような気にさせられる。
しかし、それは実は仕事でもなんでもないのだ。
レンタカーなら若干の不便さはあれど、それらのすべてから解放される。

人を多く雇えば、それだけ売り上げも伸びるかもしれない。
ところが、好調なうちはそれでいいが、調子が悪くなっても完全歩合でないかぎりは、彼らに給料を払い続けなければならない。
拡大は容易だが、縮小は困難。
ついには、誰のために仕事をしているのかよくわからなくなってくるのではないか。
臨時で雇うことはあり得るが、常勤は厳しい。
どうしても人手が必要なら仕方ないが、なくてもやれるならそこに留まっておくほうがよいように思う。

やり方は人それぞれだが、持たないことでシンプルになる。
この形態がもっとも心地よい。

ようやく確定申告が終わった。
こればかりは、どうしようもないのでやっているが、これは仕事とは言えない。
何度やっても馴れず、e-Taxにしてから、ますます時間がかかるようになった。
石川遼君がCMで簡単だと言っていたが、それはすべて税務署が段取りをしているから簡単なのだ。
税務署の列に並ばなくていいだけが、唯一の利点。
ただ、この仕事とは言えない作業をやっていると、仕事の核というものがより意識される。
まず核をしっかり見据えて、余計な手数を省く。
楽しくもなく必要でもない手数を省いていけば、核だけが残る。


***
アルヒーフの「バッハ大全集」のレコードを聴いている。
アルヒーフはバロック音楽の充実度では並ぶものはないと思われる。
この世のものでないほどの美しさ。バロックだがアグレッシブですらある。攻めの姿勢がはっきり見られる。
所蔵のバッハのレコードをほとんど整理して、バッハはこの大全集だけでもいいかもしれない。

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