《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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土屋義方『句集 春の女神』(文學の森)より
2023.04.23
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平成25。
「葡萄棚」編集長。第1句集。
春眠や枕頭におく薄荷飴
警策を受けて涼しくなりにけり
虻多してふ立て札に虻を見ず
蚤の市蚤のゐさうな古衣
日日掃いて日日新たなる落葉かな
三匹の子猫土管の口に啼き
ゴンドラのぐらりと夏の雲うごく
凧やぶれ憤怒の相となりにけり
墨をぶちまきたるごとく若布干す
指先にぽきりぽきりと茶を摘める
薫風や朋は東方より来る
春陰や鎖の音を立てし犬
一瀑に一筋白き行者かな
酔人の声なりメリークリスマス
仏壇にケーキを供へクリスマス