《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
-
遠山陽子『句集 連音』(弦楽社)より
2023.05.02
-
平成7。
煮凝や顔の平たき父と母
油照養蜂箱の内知らず
帰るべしこぼれざらしの山の栗
自転車の片足つけば春夕焼
音もなく垂れ母の日の鞦韆は
日焼いや坂道が嫌おかあさん
芥子坊主波なき海のおそろしき
角のある霰跳ねちる銀座かな
木の扉より花嫁と青とかげ
姉の部屋くちなし萎れつつ匂ふ
紫陽花とまだ書ける母ありがたし
蟻の穴多しどこにも蟻見えず
馬を拭く厚き雑巾夏来る
遠山陽子『句集 連音』(弦楽社)より
2023.05.02
平成7。
煮凝や顔の平たき父と母
油照養蜂箱の内知らず
帰るべしこぼれざらしの山の栗
自転車の片足つけば春夕焼
音もなく垂れ母の日の鞦韆は
日焼いや坂道が嫌おかあさん
芥子坊主波なき海のおそろしき
角のある霰跳ねちる銀座かな
木の扉より花嫁と青とかげ
姉の部屋くちなし萎れつつ匂ふ
紫陽花とまだ書ける母ありがたし
蟻の穴多しどこにも蟻見えず
馬を拭く厚き雑巾夏来る