《古書・古本の出張買取》 ロバの本屋・全適堂 の日記
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花谷和子『句集 光りは空へ』(本阿弥書店)より
2023.05.06
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1993年。
「藍」主宰。第2句集。
夕鶴や祈り通すということを
宙という美しきもの雪舞えり
冬濤の真剣白刃われへ寄る
少年の拳銃の先紅椿
口上に負けて吉野の蓬餅
歳月をおもえば秋の一草も
秋蝶や舞い狂わねば日の熱し
氷る滝の光り授かりたるあとは
よろこびが呼びしよろこび豆の花
わが声のわれに戻りし余花の花
遠目にはかもめ純白豪華船
目が慣れてより見失う野の白蝶
いつか星となる耳飾り原爆忌
いちにちのけじめや石に水撒いて